『人・生きものにぎわう農村フォーラム”2016“』を開催しました
2016年02月19日 | 各種イベントのお知らせ・報告
平成28年2月13日(土)、13時から16時まで、県内各地より約190名の方々のご参加をいただき、近江八幡市の滋賀県立男女共同参画センター(G-NETしが)で標記フォーラムを開催しました。内容は以下のとおりです。
1.表彰
①田んぼだいすきふるさと農村こども絵画コンクール
知事賞 |
「家族で田植え」 彦根市立 稲枝東小学校 田邊 誠真さん |
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県教育長賞 |
「つかれた田植え」 米原市立 山東小学校 石田 勇季さん |
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滋賀県世代をつなぐ 農村まるごと保全 推進協議会長賞 |
「ふるさとの田園風景」 高島市立 今津東小学校 清水 羅夢さん |
②にぎわう農村フォトコンテスト
自慢したい農村風景部門 グランプリ |
「水路の泥上げ(共同作業)」 生姜の里笠原農地・水・環境保全協議会 大島 常弘 さん |
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笑顔あふれる交流部門 グランプリ |
「はさがけ」
青木 誉拓 さん |
2.基調講演
演題:『森里湖を結ぶ農業の過去・現在そして未来』
講師:大和田 順子 氏
(一般社団法人ロハス・ビジネス・アライアンス(LBA) 共同代表)
要約:農林水産業、農村をどうやって次の世代に引き継いでいくかと考えると、集落の人口がどうなるのか、また担い手はどうなるのか、ここを考えないと引き継いでいけ ません。人口は全体としては減っていくが、都市部に集中しているので、周辺が減るだけで、都市部はあまり減らないでしょう。そこで、農村部、農林業の担い手をいかに確保していくかがすごく重要になってくると思います。今、滋賀は周辺にたくさん人が住んでいますから、まだ、あまりそういうことはないのかもしれませんが、全国各市町村で若い移住者争奪合戦が始まっています。自分の集落の農業、林業、漁業を誰が受け継いでくれるのかと考えると、その世代をいかに今のうちから確保しておくかということがすごく重要じゃないかと思います。
また、地方創生と言われていますが、考え方としては持続可能な社会に転換していくことを考えましょうということだと思います。それは何かというと、再生可能エネルギーを使って地域の経済を作って回していきましょう、コミュニティを大切にしましょう、こういう暮らし方を作っていきましょうということが今求められているし、それが持続可能な地域作りというものと思っています。
もう一つ、これは世界農業遺産にもすごく関係していると思いますが、コミュニティというものです。都市部ではコミュニティ意識は希薄です。隣に誰が住んでいるかわかりません。何かあっても誰も助けてくれません。一方、農山漁村ではコミュニティがしっかりしていて、誰が何をやっているかわかっている。そういうつながりの有無によって、人々の幸せ感は違ってきます。震災のときにコミュニティがいかに重要かということに気づいた人たちが今移住を始めています。昔は、移住者というと何か変わり者で結局移住者だけが固まっていて、地域と乖離しているといわれていましたが、今はお互いに必要としているという前提のもと、話し合いながら一緒にやっていきましょうと、個人がコミュニティや自然とつながっているという感覚を持ち始めている人が増えているように思います。特に都市部の人たちはこのコミュニティとのつながりを求めているといえます。LOHASとは人と地域と地球の健康です。サスティナビリティは、持続可能な社会を作っていきましょうということです。サスティナビリティは三つの思いやりで、まず、次の世代に対する思いやりですね。気候変動をこのまま放っといていいのですかと。二つ目は途上国の人たちのことを考えていますか。私たちが食べているものや着ているものが、どこで誰がどういうふうな労働環境で作っていますかとかですね。それから動植物は口を利かないので何とも言わないですが、私たちはそういうものに対して思いやりを持っていますかと。この三つの思いやりがある暮らし方がサスティナビリティではないかと考えています。
今のこのすばらしい琵琶湖は鏡です。自分たちの暮らしの鏡です。水を汚せば琵琶湖は汚れるし、逆に水をきれいにすれば琵琶湖はきれいになります。ですから、何人かの方のお話がすごく印象的ですが、昔は琵琶湖にはシジミが湧くように棲んでいたのですよと言うのですね。だから、もう1回シジミが湧くような、琵琶湖を取り戻したいのですと。そういうビジョンを皆さんで共有できれば素晴らしい。そのためには周辺の農業や山をどうしようかと、答えがおのずと出てくるでしょう。不便な所ですが、田舎らしい田舎で、農業が残っている、昔のものが残っている、そういうところを是非大切にしながら、皆さんでしっかりとプロセスを重視していただいて、この世界農業遺産を目指していただくことによって未来のこの滋賀県の農林水産業が発展していくことを私自身も祈っておりますし、少なくとも湖魚のファンとしては、あるいはゆりかご水田のファンとしては大いに周りの人たちに、『ちょっと琵琶湖に行きましょうよ』ということで広めていきたいと思っています。
3.休憩(特産品展示・販売)
4.演劇
作品名:『明日、君を食べるよ』
要 約:都会っ子でへそ曲がりな少年「さなぎ」は母の再婚を機に田舎へ越してくる。控えめな父と自由奔放な姉に迎えられた新しい家には「うしのすけ」という一頭の牛が飼われていた。少年と牛が織りなす「食」と「命」の物語。
演 出:池田 奈々 氏
劇団名:劇団ZERO&劇団深夜特急(滋賀大学、滋賀県立大学合同演劇サークル)
以上