対策の背景と目的
農村地域には、私たちが生きていくために必要なお米や野菜が作られている田んぼや畑があります。そして、たくさんの生きものや美しい景観、豊作に感謝する伝統文化が育まれています。
しかし、今、農家の減少や高齢化などにより、豊かな農村の恵みを維持することが難しくなりつつあります。
そこで、みんながいきいきと暮らし、農家や地域のおとなから子どもまでがチカラをあわせて行う、農地や農業用水などを維持保全する活動、田んぼや水路の生きものの調査、 きれいな花を植えたりする活動などを応援しています。
①農地維持支払交付金
農地法面の草刈りや水路の泥上げ、農道の路面維持などの基礎的な保全活動に加え、農村の構造変化に対応した体制の拡充・強化、地域資源保全管理構想の作成などを支援するための交付金です。
草刈り
泥上げ
砂利の補充
交付単価(10aあたり)
①農地維持支払 ※1 | |
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田 | 2,200円 |
畑 | 1,500円 |
草地 | 180円 |
※1 事業計画期間中に地目を変更した場合、当該期間中においては、地目変更前の単価を適用します。(平成29年度以降から適用)
②資源向上支払交付金
水路・農道・ため池の簡単な補修や、水守当番による農業排水調査、生きもの調査など、地域資源の質的な向上を図るための共同活動ならびに施設の長寿命化のための活動を支援するための交付金です。
農道の部分補修
水守当番による農業排水調査
用水路の補修
交付単価(10aあたり)
地目 | ②-1 資源向上支払交付金 (共同) |
②-2 資源向上 支払交付金 (長寿命化) ※3 【上限単価】 |
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標準型 | 環境 保全型 ※2 |
防災 減災型 ※2 |
生態系 保全型 ※2 |
||
田 | 1,300 | 1,800 | 1,800 | 1,800 | 4,400 |
畑 | 800 | 1,080 | 800 | 800 | 2,000 |
草地 | 120 | 180 | 120 | 120 | 400 |
③組織の広域化・体制強化:新たに設立した広域活動組織は、以下の支援が受けられます。
規模等 | 交付額 |
---|---|
3集落以上または50ha以上※ | 4万円/年・組織 |
200ha以上 | 8万円/年・組織 |
1,000ha以上 | 16万円/年・組織 |
※中山間地域等の条件不利地域において適用
・設立後5年間のみ支援
・特定非営利活動法人化(NPO法人化)に取り組む場合は、200ha以上と同じ交付額とします。
※2 「特定の取組の対象となる農用地」以外の農用地は「標準型」となります。
※3 1集落当たりの資源向上支払交付金(長寿命化)の上限は200万円となります。
(平成28年度以降に市町の認定(新規・変更)を受けた活動組織のみ(広域活動組織を除く))
活動組織とは
①農業者のみで構成される活動組織(農地維持支払のみ対象となります)
②農業者および地域住民・地域団体などで構成される活動組織
広域活動組織とは
旧市区町村単位などの広域エリアにおいて、集落(活動組織)、土地改良区、地域団体など、地域の実情に応じた者から構成される組織です。
事業計画の対象とする区域内の農用地面積が200ha以上※を有していることが基本です。
※中山間地域等の条件不利地域では 50ha 以上または3集落以上
こんなこともできます
身近な農業用水路の落差などを利用して、
効率よくエネルギーを取り出せる水車により
小規模な発電を行い、集落の街灯などに
活用するとともに地域の環境学習に役立てます。
生きものの生息環境を保全するための
水路魚道の設置など、
生態系に配慮した取り組みです。
農山村地域において
シカやイノシシなどによる被害が
深刻な状況にあり、
農業者の生産意欲の減退や
耕作放棄地が増加し問題となっています。
こうした獣害の軽減を図るために
獣害防護柵の設置、補修を行います。
農地や水路、ため池、農道の土手などに
景観植物を植えて
美しい農村景観を創出します。